PROJECTSHillside house多摩丘陵の家

東京郊外、多摩丘陵中腹にある新たに開発されたひな壇造成地内の計画です。  周辺はまだ多くの緑地が残るエリアですが、近年宅地造成による開発が進み今後 急激に景観、人口の変化が予想される場所でもあります。  計画地はひな壇の一角にあり、南側が約1m上がり傾斜となっている不利な敷地。  通常であれば、南側に余白を設け庭などするのが一般解ではありますが、北側の敷地角が開けている事に着眼し、出来るだけ建物を南側へ寄せ、逆に北側に開けた余白を設ける計画としました。  北側からは借景となる丘陵の景色を取り込み、南側は将来建物が建っても太陽光の享受に影響ない様、高窓や天窓を設置しました。  北側に設けたテラスは直射日光を避けながら隣家に反射した光で間接的に明るさを補填させています。  また建物を3つのブロックにわけ、その余白を外部の庭として点在させる事により、室内にいながら内外を連続させる事を意図しています。  キッチンは全てオリジナル造作とし、左官材、無垢の天板、ステンレスと適材適所に配置しながら、この家の生活の核となるように設えています。  2階は寝室、子供室、仕事が出来る書斎、そして1坪の子供ライブラリーのを設けています。   また子供室の吹抜と1階のキッチンが連続しているため上下階でコミュニケーションを図りながらお互いの気配を感じられる配慮をしています。  今後この街区の密度が変化しても、この敷地内の余白や植栽が近隣との緩衝帯となり日射や通風の享受は将来的にも担保される様に計画したプロジェクトです。  
【2022年度における断熱等級4取得・UA値:0.78 W/m2K(設計値)】

施工
2023年
場所
東京都 稲城市
敷地面積
130 m2
延床面積
102.59 m2
構造
木造在来
規模
2階建て
施工会社
㈱みどり建設
撮影
Hiroshi Ueda