PROJECTSRenov in Ina伊那谷のリノベーション

長野県の中央アルプスと南アルプスに挟まれた伊那谷エリア。  その中心を流れる天竜川の東側にこの家はあります。  周辺は豊かな田園風景、山岳の景色が広がります。  築40数年の旧家は、和室で各室が繋がり、廊下を挟んで北側に台所という いわゆる一般的な民家型の間取りでした。  それは今の生活には支障をきたす部分も多々あり、またこの信州の冬を快適に過ごせる断熱性能も持ち合わせていませんでした。  ただ2階建ての家全体(約60坪)全てを改修するにはかなりの費用もかかる事が予測できました。  施主の暮らしぶりなどを詳しくヒアリングしながら必要な箇所を適材適所に補填していくという部分改修という選択肢を提案しました。  新たな間取り、断熱は最優先とし、使わない2階は既存のままとしました。またL型に配置された縁側のサッシはそのまま残置し、その内側の建具で断熱ラインを確保する事により、外部工事を最小限にとどめコストをかけない手法をとりました。  和室を解体し1ルームとしたLDKは、天井材も撤去し、既存梁と新規補強梁をミックスして開放感を与えながら、旧家の記憶も留める事を意図しました。  伊那地方の地場産業でもある林業、その端材から生まれる木質ペレットを活用したペレットストーブも、この家の冬の快適性と、地域貢献に役立っていく事でしょう。

施工
2023年
場所
長野県 伊那市
敷地面積
762.62 m2
延床面積
113.03 m2
構造
木造在来
規模
2階建て
施工会社
㈲橋詰建設
撮影
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