PROJECTSKURA-use下諏訪の蔵土間

【WOODONE SPACE DESGIN AWARD 2022・最優秀賞(伊東豊雄賞)受賞】

下諏訪の旧道や諏訪大社からほど近い旧家や蔵が残存する一角にこの蔵はあります。 大正8年(1919年)に建立したこの蔵を「住まい」として再生した計画です。 約100年の間、改修や増築を繰り返しながらも大切に保存されてきた この蔵。 KURA-use(クラ-ウス)とは、KURA(蔵)とHouse(家) からなる造語で、 蔵(KURA)を、使う(use)という意味も掛け合わせて名づけました。 今回新たに住まいとして再生するにあたり、後年付加されたものは出来るだけ撤去し 初期の状態に戻した上で、保存再生したいと考えました。 そのひとつとして室内化された下屋部分は、蔵への前室として半戸外的な土間へ戻し既存の庭を挟みながら親世帯や、近隣の交流の場として開いた場所にしました。 蔵内部は全面的に改修。 蔵の壁構造である板壁+土塗壁(約25cm)はそのまま残しその上から断熱を付加、高性能サッシを新たに取付け住宅として性能を高めています。 蔵を縦断する約9mほどの牛梁はそのまま表し、この蔵のメインである梁構造をダイナミックに再生しています。 この蔵を保存する事によって、町並みの風景はそのまま継承した上で、懐古主義だけではない新しい蔵の利用、再生方法を提案し、住まうだけではなく、この蔵を通じて地域循環のロールモデルになる事も願っています。

施工
2022年
場所
長野県 諏訪郡
敷地面積
* m2
延床面積
109.59 m2
構造
木造在来
規模
2階建て
施工会社
㈲橋詰建設
撮影
Hiroshi Ueda