PROJECTSLakeside house湖畔の家
敷地は南東に琵琶湖を臨む恵まれた環境にあり、南西遠方には比叡山の山並みも見渡せるロケーションにあります。 夫婦の終の棲家としての建て替え計画であり、日常の近隣との交流の場を設ける事、親戚、家族が集まりやすい様なフレキシブルなプランとする事、出来るだけ平面で生活できる事などを望まれておりました。 以前の旧家は琵琶湖との関係性が希薄な佇まいをしていたため、湖畔との親和性を持たせたいと考えました。 幸い敷地の南側は漁港に面しており、北側の路地状狭隘な接道による建築、搬入の不利な条件をクリアする要素(工事中に通行許可を得れた)となりました。 また漁港内に積み上がる廃棄される貝塚はここ特有な建築素材に生かせるのではないかと考えました。 設計の検討を進める上での手掛かりとして、琵琶湖に向きながら終日日差しを受け止める事と、北西側からの陸風を受け流す事などにより最適解である「ヘの字」型のプランを提案しました。 また琵琶湖の浸水エリア(0.5~1m)に該当している事から主要な居室を1階には設けずエントランスの他はピロティーとし、全ての居室を上階へ持ちあげて配置し、2階での平面生活を可能としています(ELV設置)。 ピロティーは駐車、駐輪スペース、及び近隣との交流の場として「外の間」として設える事により 今まで通りの生活習慣を可能としています。 2階の「への字」プランの西側には個室群を設け、東側へ移動するにつれ屋根勾配が少しずつ高くなるように操作し、開放感と空間の変化を与えながらリビングゾーンへ連続させる事を意図しています。 屋根勾配を変化させる事によりLDK室内は天井高を確保でき、外部はそれに伴い軒先が低く下がり西日が室内流入する事を防ぐ効果をもたらしています。 外壁は出来るだけ土着的な要素を盛り込み、1階はそとん左官材に漁港の廃材となる貝を選別して練り込み、2階はスギ板張り張りとし地域の風景から逸脱せず経年変化を感じ取れる素材を選定しました。
張り出したテラスから湖畔を眺め、ピロティーを通り抜ける湖畔の風を感じながらご近所との談笑をする。
日常生活の中にある琵琶湖との親和性を取り戻し、享受できる暮らしがここから始まります。